両国関係は伝統的に良好。1919年3月に日本はポーランド共和国及び同国政府を承認し、国交を樹立(2019年は国交樹立100周年)。1920年8月に在京ポーランド公使館開設。1921年5月に在ポーランド日本公使館開設。戦後は1957年に国交を回復。2002年に天皇皇后両陛下、2003年に小泉総理がポーランドを訪問し、ポーランドからは2005年にベルカ首相、2008年にはカチンスキ大統領が訪日した。また、2012年にコモロフスカ大統領夫人が訪日し、東日本大震災被災地を訪問した。
2013年6月、安倍総理が日本の首相としては10年ぶりにポーランドを訪問した。安倍総理は、日?ポーランド首脳会談に続き、ヴィシェグラード4諸国(ポーランド、チェコ、スロバキア、ハンガリー)と第1回「V4+日本」首脳会合を行った。
2015年2月、コモロフスキ大統領夫妻が訪日し、安倍総理と日?ポーランド首脳会談を実施し、共同記者発表において、「日本国とポーランド共和国との間の共同声明「自由、成長、連帯への戦略的パートナーシップ構築」(PDF)を発出した。安倍総理夫人が大統領夫人と懇談を行った。
2015年10月、高円宮妃殿下がポーランドをご旅行され、ドゥダ大統領夫妻と懇談された。
2017年5月、ヴァシチコフスキ外相が訪日し、岸田外務大臣と会談。両外相は「日?ポーランド戦略的パートナーシップに関する行動計画」に署名した。
2018年7月、河野外務大臣がポーランドを訪問し、チャプトヴィチ外相と会談を行った。
同年10月、第12回アジア欧州会合(ASEM)首脳会合に際し、ブリュッセルにて第2回「V4+日本」首脳会合が開催された。
2019年4月、安倍総理のスロバキア訪問に際し、日?ポーランド首脳会談及び第3回「V4+日本」首脳会合が行われた。安倍総理は、モラヴィエツキ首相との間で戦略的パートナーシップ関係の発展を歓迎し、引き続き連携していくことを確認した。
2019年6月27日~7月2日、秋篠宮皇嗣同妃両殿下が国交樹立100周年の機会にポーランドを御訪問し、ドゥダ大統領夫妻と懇談されたほか、周年記念行事に出席された。
2019年10月の即位礼正殿の儀には、コルンハウゼル=ドゥダ大統領夫人が出席した。
2020年1月、モラヴィエツキ首相が訪日し、日?ポーランド首脳会談を実施。戦略的パートナーとして政治?安全保障、経済、文化?人的交流など様々な分野でのさらなる関係深化について合意した。
2021年5月、茂木外務大臣がポーランドを訪問し、ドゥダ大統領表敬及びラウ外相との会談を実施した。また、第7回「V4+日本」外相会合を開催した。
2021年7月、東京オリンピック競技大会開会式に出席するため、ドゥダ大統領が訪日し、菅総理と首脳会談を実施した。両首脳は、両国の戦略的パートナーシップを一層深化させていくことで一致した。
2022年4月、ロシアによるウクライナ侵略を受け、総理特使として林外務大臣がポーランドを訪問し、ドゥダ大統領及びモラヴィエツキ首相を表敬訪問するとともに、ラウ外相との会談を実施した。両外相は、自由で開かれた国際秩序を守るため、戦略的パートナーとして、引き続き緊密に連携していくことで一致した。
2023年3月、岸田総理は日本の首相としては10年ぶりにポーランドを訪問し、ドゥダ大統領及びモラヴィエツキ首相とそれぞれ首脳会談を実施した。岸田総理からは、ポーランド訪問前に行った自身のウクライナ訪問にあたってのポーランドの協力に謝意を表明の上、ウクライナ情勢や二国間関係について意見交換を行った。同年4月、NATO外相会合に参加するためベルギーを訪問中の林外務大臣は、ラウ外相と会談を実施した。3月の岸田総理のポーランド訪問時の、ドゥダ大統領及びモラヴィエツキ首相の歓迎に感謝の意を表しつつ、ロシアによるウクライナ侵略への対応や、「自由で開かれたインド太平洋」の実現に向けて引き続き緊密に連携していくことで一致した。同年5月、ラウ外相が訪日し、林外務大臣との間で会談等を実施(6年ぶりの外相訪日)。二国間関係やウクライナ、インド太平洋の地域情勢について意見交換を実施した。また、岸田総理はラウ外相からの表敬を受けた。
(1)日本の対ポーランド貿易(2022年:財務省貿易統計)
(ア)総貿易額 7,188億円
- 輸出 5,497億円
- 輸入 1,691億円
(イ)主要品目
- 輸出 自動車並びに自動車部品及び同関連製品、電気計測器
- 輸入 機械及び機械部品、自動車及び自動車部品
(2)進出日系企業数
358社(2021年10月現在:外務省海外在留邦人数調査統計)
(1)概略
- 両国民の互いの文化に対する高い関心を背景として、国内各地で武道や伝統文化、ポップカルチャーを中心とした文化交流や、日本語教育が活発。健康志向の高まりとともに、日本食も大きなブームとなっている。2013年にワルシャワで開始された総合日本文化交流事業「日本祭り」も毎年20,000人以上の参加者を得るまでに成長した。
- 1994年11月、ワイダ監督夫妻のイニシアティブと尽力により日本美術技術センター(現名称は「日本美術技術博物館」、通称Manggha館)がクラクフ市に設立、ポーランドのみならず中?東欧地域の一大日本文化発信拠点となっている。これまでに、天皇皇后両陛下(2002年)、高円宮妃殿下(2015年)、安倍総理夫人(2013、2014年)、秋篠宮皇嗣同妃両殿下(2019年)など、多くの要人も訪問している。創立20周年となる2014年には、「ポーランドの日本美術傑作展」をはじめ様々な記念行事が実施され、同年11月に開催された20周年式典にはコモロフスキ大統領夫妻、安倍総理夫人、ワレサ元大統領等が出席した。
- 2015年秋に開催された第17回ショパン国際ピアノ?コンクールに際しては、12名の日本人ピアニストが出場、高円宮妃殿下のご臨席も得て、両国の音楽交流が一層活発化した。2021年10月、新型コロナウイルス感染症の影響で1年延期となった第18回同コンクールでは、14名の日本人ピアニストが出場、2位と4位に入賞し、話題となった。日本人の2位入賞は過去最高位で51年ぶりの快挙。
- 2022年5月、国立研究開発法人科学技術振興機構(JST)と駐日ポーランド共和国大使館によって創設された、国際的に活躍が期待される日本の若手女性研究者を表彰する「羽ばたく女性研究者賞(マリア?スクウォドフスカ=キュリー賞)」の第1回授賞式が駐日ポーランド共和国大使館にて開催。式典には高円宮妃殿下も御臨席された。
(2)日本語
国立4大学に在籍する約600名の日本学科学生に加え、約50の学校?機関で合計約5,000名が日本語を学習している。40年の伝統を誇る日本語弁論大会も毎回多数の参加者を得て実施されている。
(3)スポーツ
空手、柔道、相撲、合気道、剣道など日本の武道が盛んであり、国内各地に道場がある。特に、空手の競技人口は約46,000人超(2020年統計)で、競技人口別第5位の人気スポーツとなっている。また、相撲をきっかけとした地方自治体間(島根県隠岐の島町とクロトシン市)の交流が行われており、2016年6月に友好都市提携の調印式が行われた。
(4)文化無償協力?草の根文化無償協力
1991年から2004年まで、大学など学術機関や文化施設を中心にほぼ毎年機材供与の実績あり。2000年から2007年までは3件の草の根文化無償協力を実施。
2,058名(2022年10月1日現在:外務省海外在留邦人数調査統計)
1,510人(2022年6月末現在:法務省在留外国人統計)
14,753人(2022年ポーランド中央統計局)
年月 | 要人名 |
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1990年 | 海部総理大臣、中山外務大臣 |
1992年 | 村山衆議院副議長(下院公式招待) |
1994年 | 高円宮同妃両殿下 |
1996年 | 塚原通商産業大臣 |
1997年 | 池田外務大臣、白川自治大臣 |
2000年 | 斎藤参議院議長(上院公式招待) |
2001年 | 丸谷外務大臣政務官 |
2002年 | 天皇皇后両陛下、松浪外務大臣政務官 |
2003年 | 小泉総理大臣、参議院公式議員団(上院公式招待) |
2004年 | 田中外務大臣政務官(「拡散に対する安全保障構想」(PSI)総会) |
2005年 | 衆議院日本ポーランド友好議員連盟代表団(下院公式招待) |
2007年 | 麻生外務大臣、高木経済産業大臣政務官 |
2008年 | 斎藤環境大臣、江渡防衛副大臣、小野寺外務副大臣、横路衆議院副議長、谷合経済産業大臣政務官、三ツ矢財務大臣政務官 |
2009年 | 石原都知事 |
2011年 | 伴野外務副大臣、園田内閣府大臣政務官 |
2012年 | 浜田外務大臣政務官 |
2013年 | 安倍総理大臣、左藤防衛大臣政務官、石原環境大臣 |
2014年 | 松島経済産業副大臣、愛知財務副大臣、西村内閣府副大臣、安倍総理夫人 |
2015年 | 高木経済産業副大臣、城内外務副大臣、高円宮妃殿下 |
2017年 | 田野瀬文部科学大臣政務官、郡司参議院副議長 |
2018年 | 河野外務大臣、原田環境大臣、滝波経済産業大臣政務官 |
2019年 | 秋篠宮皇嗣同妃両殿下、衆議院日本ポーランド友好議員連盟代表団(下院公式招待) |
2021年 | 茂木外務大臣 |
2022年 | 林外務大臣(総理特使)、中谷総理補佐官、津島法務副大臣 |
2023年 | 岸田総理大臣、西村経済産業大臣 |
年月 | 要人名 |
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1990年 | コザキエヴィチ下院議長(即位の礼) |
1991年 | ビエレツキ首相(非公式訪問) |
1992年 | スクビシェフスキ外相(外賓) |
1994年 | ワレサ大統領(国賓)、オレクスィ下院議長(衆議院議長招待) |
1996年、1997年 | ストゥルージク上院議長(参議院議長招待) |
1998年 | クファシニエフスキ大統領(IOC賓客) |
1999年 | ブゼク首相(非公式訪問) |
2000年 | ゲレメク外相(外賓) |
2001年 | グジェシコヴィアック上院議長(参議院議長招待)、ジェリンスキ文化相 |
2004年 | クライベル科学相、ラチュコ財務相 |
2005年 | ベルカ首相、カリシュ内務行政相(国連防災会議)、グロニツキ財務相 |
2006年 | メレル外相(外務省賓客) |
2007年 | ウヤズドフスキ文化相、セヴェリンスキ科学?高等教育相 |
2008年 | カチンスキ大統領(公式実務訪問賓客)、シコルスキ外相(外務省賓客)、サヴィツキ農業?農村開発相、ノヴィツキ環境相 |
2009年 | サヴィツキ農業?農村開発相、グラド国有財産相、ノヴィツキ環境相 |
2010年 | ボルセヴィチ上院議長、クラシェフスキ環境相 |
2011年 | ズドロイェフスキ文化?国家遺産相 |
2012年 | コモロフスカ大統領夫人 |
2013年 | シェモニャク国防相、ズドロイェフスキ文化?国家遺産相、ピエホチンスキ副首相兼経済相 |
2015年 | コモロフスキ大統領(実務訪問賓客)、ヴァシャク?インフラ開発相(閣僚級招へい)、グラボフスキ環境相(国連防災世界会議)、下院ポーランド?日本友好議員連盟(衆議院公式招待) |
2017年 | ヴァシチコフスキ外相 |
2018年 | ジェジチャク外務副相 |
2019年 | バンカ?スポーツ?観光相、ドゥダ大統領夫人(即位礼出席) |
2020年 | モラヴィエツキ首相、グロツキ上院議長(参議院議長招待) |
2021年 | ドゥダ大統領(東京オリンピック競技大会開会式出席) |
2022年 | ブダ開発?技術相、コヴァルチク副首相兼農業?農村開発大臣(故安倍晋三国葬儀) |
2023年 | ラウ外相 |
年月 | 略史 |
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1957年 | 国交回復に関する協定(同年発効) |
1978年 | 通商航海条約(1980年発効) |
1978年 | 科学技術協力協定(同年発効) |
1978年 | 文化、教育交流取極(同年発効) |
1980年 | 二重課税防止条約(1982年発効) |
1994年 | 航空協定(1996年発効) |
1994年 | 外交?公用旅券保有者の相互査証免除取極(1995年発効) |
1998年 | 一般旅券保持者の相互査証免除取極(1999年発効) |
2004年 | 運転免許試験の相互免除に関する二国間取極(同年発効) |
2015年 | 日?ポーランド?ワーキング?ホリデー協定(同年発効) |
- (1)宮島昭夫 駐ポーランド日本国特命全権大使
- (2)パヴェウ?ミレフスキ 駐日ポーランド共和国特命全権大使